LASIKは2000年度という一年間に、米国で約100万症例、そして我が日本国内では約二万症例が行われたと推測されています。
この数字を見ても分かると思いますが、今やレーザー治療LASIKは、屈折矯正治療として目覚ましいほどの普及率だと言えるでしょう。
この本を執筆する、と決心した時まず思ったことは、LASIKという治療法が、眼科医療として確立しつつある現実をどう捉えるかということでした。つまり、一長一短では身につけることができない治療法が、破竹の勢いで広がる普及率と共に、未熟なままの眼科医が増えることへの懸念があったのです。やはり、この現実には目を背けることができません。

読者の皆さんに、何を理解してもらえばいいのか、と考えました。まず一つ言えるのは、レーザー治療の実体を理解していただく、ということです。
繊細で大切な眼の治療なので、合併症などの問題点も確かに存在することを、包み隠さず取り上げました。錦糸眼科では、合併症のほとんどが実績として残っていませんが、これは起こり得ること、として認識してほしいのです。
そして、レーザー治療を行う日本における眼科医の現実です。何度も言いますが、決して簡単な治療ではありません。機材が揃っていれば行えるものではないのです。ましてや、医師免許があれば行って良い、というものではないのです。優れた技術を取得した眼科医の下で、日々勉強を重ねて、経験を積んだ医師がいる眼科で治療を受けていただきたいものです。そのことを訴えたい、という気持ちもありました。

治療を受ける前の患者さんは、不安と恐怖が入り交った気持ちになることでしょう。それは、私も経験があるから分かります。しかし、毎日の生活を驚かすほどの、あるいは、我慢できないほどの煩わしい近視を治したいと希望される方々に、正確な情報を知ってもらいたいのです。

近視を確実に治す方法は、現在、屈折治療の他にないでしょう。だからこそ、治療を希望する方は、自ら知識を得る努力もしてほしいと思っています。無論、私たち眼科医も、診察に来られた患者さんには、納得いくまで十分な説明をさせてもらいます。そして、少しでも不安が残らないように努力します。